語釈(身分呼称):上造

上造、秦漢の爵名の一つ、二十等の中、下から數えて第二級。『漢書』百官公卿表や『漢舊儀』等にも見えており、減刑の特權を享受する。『二年律令』には

082 上造、上造妻以上及內公孫、外公孫、內公耳玄孫有罪,其當刑及當爲城旦舂者,耐以爲鬼薪白粲。
上造・上造の妻以上、及び內公孫、外公孫、內公耳・玄孫に罪有らば、それまさに刑すべき(もの)、及びまさに城旦舂と爲すべき者は、耐して以て鬼薪白粲と爲す。

と、關連する明文規定が傳えられる。『漢書』恵帝紀は、恵帝卽位の特別規定としてこれを伝えるが、『奏讞書』事案18の次の記述等から、秦律にも同様な減刑特権が存在したことが知られる。

158 (前略)律:𧧹(懈)乏不鬪,斬┛。篡遂縱囚,死罪囚,黥爲城旦┛。上造以上耐爲鬼薪。以此
159 當㢑(㢈)。(後略)
律には、、懈乏不鬪は斬。囚を篡・遂・縱せば、死罪囚は、黥して城旦と爲し、上造以上は、耐して鬼薪と爲す、とあり。此れを以て㢈を當つ。……