語釈(身分呼称):削匠(身分呼称)

削匠、職人の名稱、木工の一種か。削には、「刻」(『呂氏春秋』孟冬高誘注)や「刻治」(『玉篇』刀部)のほか、「兩刃句刀」(『淮南子』本經高誘注)の訓詁があり、木材の加工と關わることは疑いない。一方、

(削,)今之書刃。
(削は、)今の書刃なり。
という『周禮』考工記·築氏に對する鄭玄注のごとく簡牘を連想させる訓詁が認められ、居延漢簡に見える「削工」(267.22,A8等)についても簡牘の製作もしくは加工を指す可能性が考えられるが、削匠を簡牘製作專門の職人と解釋する訓詁學的根據も、關連する歷史的記述も見當たらない。