グーリーヤ


5-1 (no. 22) グーリーヤ
the ghooreeyer
リトグラフ、ラグ紙


 スルタン・グーリーは、オスマン朝に敗れマムルーク朝を滅亡させた男として有名である。しかし彼はバイナル・カスライン沿いにモスクと墓廟の複合体を建設し、間に挟まれた道をスークにしようと夢見た有能な行政官でもあった。彼の期待通り、やがてそこは商業地区となり、19世紀には路上に屋根を付けた絹スークが栄える。両端に立つ警備兵は取り引きを管理しようとするムハンマド・アリー国家の象徴であろうか。150年後、開閉式の木製大天井は消え、奥に描かれた墓廟も地域文化センターに装いを変えたが、屋台の呉服屋は相変わらずここで営業を続ける。