ズワイラ門


4-2 (no. 17) ズワイラ門
bab zuweyleh
リトグラフ、ラグ紙


 ムアイヤド・モスクのミナレットを頭上にかかげ、見る人の目を楽しませるズワイラ門はファーティマ朝カイロの南門である。しかし、外見の美しさとはうらはらに、この門の歴史は血塗られた歴史であった。マムルーク朝時代、ここはなぜか、戦争に敗れ殺害されたマムルークの死体が吊される場所となったのである。もっとも、オスマン朝期に入ると、この地域はトルコ系の学生やスーフィーが集まる一種の聖域となり、19世紀には、近在の聖者がさまざまな奇跡を行って人々の信仰を集める。門内では賑やかな日々の暮らしが展開されているが、ここに描かれたアフマル通りは今も昔も落ち着いたたたずまいを見せている。