ブーラーク、パート2


2-5 (no. 10) ブーラーク、パート2
boolak, part 2
リトグラフ、ラグ紙


 港には倉庫がつきものである。ブーラークは地中海向けの国際商業港であると同時に、カイロ市民の必要物資を荷揚げする生活港としても栄えた。ナイル・デルタの豊かな恵みや、近代化が産み出した商品の数々を保管する巨大倉庫群は、ムハンマド・アリーに愛された19世紀のブーラークを象徴する建物と言ってよかろう。画家が描いた地点はスィナーン・パシャ・モスクよりやや下流、有名な国営印刷所があったあたりかと思われるが、今では流れも若干変わっている。今日、あまり目にしなくなった三角イカダはナイルの「渡し」であろうか。積み荷を満載した船が印象深い。なお、倉庫の一部は工場などに分割利用されて現存している。