ローダ島から見たカイロ水道橋とオールド・カイロの一部


2-3 (no. 8) ローダ島から見たカイロ水道橋とオールド・カイロの一部
the aquaduct of cairo and part of masr el ateekah from the island of er-rodah
リトグラフ、ラグ紙


 現在も市街に威容の残るカイロ水道橋は、丘の上の大城塞に水を供給するため、マムルーク朝期に造られた一大モニュメントである。ナイル河岸に建つ石造りの水車小屋は水道橋に流す水を汲みあげるための吸水口で、巨大な木製水車を牛やラクダが回していた。実際には、小屋は水車を回すために最も合理的な形、六角形をしているが、ここでは画家の思い込みか、四角に描かれているのが興味深い。手前に描かれた船は、現在もローダ島西岸やゲズィーラ島東岸に残る水上生活者のものであろうか。古くからピクニックの名所として知られたロード島の岸に寝そべり、悠久の流れに身を委ねて、男たちは何を語り合ったのだろう。