ナイルの中州ローダ島の南端には、861年以来、毎年初夏の増水量を計るナイロメーターが設置されている。この計測からはじき出される収穫量予想はエジプト経済にとって決定的な意味を持ち、カイロっ子の生活もこれに大きく左右された。水位に異常が見られれば、その年の不作を見こんで穀物相場が一気に高騰したためである。今ではめったに目にすることのない三角2枚帆の川船やたくさんの漕ぎ手を乗せた船に過去150年の変化がうかがわれよう。なお、この絵が描かれた時点では崩壊していた円錐形のドームがこの後復元され、現在ではナイロメーターの顔となっている。
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