カイロのヨセフ・ホール


1-4 (no. 4) カイロのヨセフ・ホール
joseph's hall, cairo
リトグラフ、ラグ紙


 カイロ市街を見下ろすカッタムの丘に連なる大城塞(カルア)は、アイユーブ朝の祖にして十字軍戦争の英雄、サラディンによって建設され、以後700年にわたって為政者たちの居城となった。ヨセフ・ホールは大城塞の中に建てられた「法律の館」で、ヨセフ(ユースフ)はサラディンを指す。ホールはナポレオンのエジプト遠征の際、フランス軍の倉庫として使用され、その後、荒廃にまかされていたが、1829年、ムハンマド・アリー・モスクの建設用地とするために破壊され、残念ながら現存しない。城塞内左後方に見えるのは、マムルーク朝スルタン、ナースィル・ムハンマド建立のモスクである。