カブシュ城塞の一部をのぞむ
『旧約聖書』創世紀に登場するアブラハムは、アラブの祖であると同時に、メッカのカアバ神殿を創設した預言者として、イスラームの中でも特に重要な位置を占めている。彼が神に試みられ、わが子を犠牲に捧げようとしたと伝えられる場所に、ガブシュ城塞は建てられた。現在はまったく様変わりして地名しか残っていないが、18世紀には市内の治安維持にあたる警察署が置かれ、1830年代には、蒸気機関を備えた200台の織機を有する織物工場となっていたという。