古代ローマの要塞シャムゥ城の城門


1-2 (no. 2) 古代ローマの要塞シャムゥ城の城門
gateway of the kasr esh-shema, an old roman fortress
リトグラフ、ラグ紙


 エジプトのキリスト教(コプト)文化を代表するオールド・カイロのコプト博物館や聖ジョージ教会、そして写真のムアッラカ教会は、ローマ時代、この地にあった要塞シャムゥ城(バビロン城)の城門を利用して造られている。五賢帝のひとりトラヤヌスによって建造され、ローマによるエジプト支配の要として数世紀にわたって君臨し続けた要塞も、641年、アムル・ブン・アルアース率いるアラブ・ムスリム軍の前に陥落。敗れたビザンツ軍は船でローダ島経由ギーザに脱出した。レンガ、石灰岩、レンガと順に数段ずつ積み上げられたビザンツ式城壁が往時を偲ばせる。19世紀初頭、このあたりは約1万のコプト人口しか持たない小集落と化していたと『エジプト誌』は伝えている。