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阿部 優子

【AA研究在任期間】2013年08月 〜 2017年03月

特任研究員,博士(学術)

東京外国語大学
アジア・アフリカ言語文化研究所
〒183-8534 東京都府中市朝日町 3-11-1

Email: abe.yuko[at]tufs.ac.jp

個人ウェブサイト:

研究テーマ:バントゥ諸語,記述言語学


タンザニアの村で生活しながら,村の言語と話者に想いを寄せています

私には収集癖があります。言語のフィールド調査は,私のモノマニア的欲求を満たしてくれるうえ,とてもリーズナブルです。骨董品と違ってそれほど高価でもないし,陳列する場所も取りません。
現在の調査対象は,東アフリカのタンザニアの西部のバントゥ諸語です。ベンデ語という小さな言語から調査を始め,周辺のさらに小さな言語,あるいは同規模の言語にも手を伸ばしています。並べてみると,言語間の歴史的推移が見えたり,そのコミュニティに特有の語彙レパートリーから独自の文化背景が見えることもあります。しかし,小さな言語の調査を通じて日々感じるのは,滅びゆく言語の足音です。滅びていく方向への言語変化は見られますが,言語内で新たな進化が起こることはほとんどありません。一方,危機に瀕していない言語世界は,地域共通語のスワヒリ語に見ることができます。小規模な民族語が滅びゆく中,同じバントゥ諸語のスワヒリ語は母語話者を大きく増やし,ダイナミックな言語変化が起こしています。民族語と地域共通語の相関関係にも心惹かれています。
目の前の言語が,どうして今ある姿になったのか,そのメカニズムに少しでも近づきたいと思っています。

最近取り組んでいること:

最近,タンザニアに行く機会が少ないこともあり,なかなかベンデ語やその他の民族語の資料が増やせていません。一方,近年のメディアの著しい発達で,スワヒリ語はますます力を強めています。特にネット上に氾濫するスワヒリ語は,話しことばや若者ことばが中心で,これまでの規範にうるさい書記スワヒリ語とは違った独特の進化をしているようです。そんなネット・スワヒリ語を,目下フォロー中です。


研究プロジェクト:


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