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中央の上部が膨らんだ円柱形の墓石は、権大僧都と刻られていることからも解るように、どこかの寺の住職のものです。僧侶の墓石をこうした特別の形に作ることは、現在でも広く行われています。上部には胎蔵界の大日如来の真言である
aaMH が刻まれています。本来、上部に付く鼻音化記号(M)(空点と呼ばれます)と右側に付く気息音記号(H)(涅槃点と呼ばれます)は同時に付くことのないものですが、日本では五点具足といって、すべての文字が書き始めに含むア点(命点ともいう)、空点の下に付く半月形の荘厳点、修行点と呼ばれる長音化記号、上記の空点と、涅槃点、という5点がついたものを特別に尊重しています。
そのほか、半跏思惟像の上に huuM (阿しゅく如来の真言)を刻んだ墓石など興味深いものがあります。
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