AA研要覧 2012
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共同研究研究資源19概 要研究者養成共同利用・共同研究課題【現代アフリカにおける<国家的なもの>に関する研究:ニューメディア・グローバリゼーション・民主主義】2012〜2014年度 代表者:内藤 直樹(徳島大学) 所員2/共同研究員16本課題は、現代アフリカとその周辺地域における国家の再編にかかわる諸問題を検討することを通じて、グローバリゼーションのなかで展開する新たな国家や市民社会の可能性について構想する。そのために次の3つの領域におけるアクター間の交渉や葛藤に関する民族誌を比較検討する。①携帯電話やインターネットなどのニューメディアの導入・利用・普及、②移民・難民による経済活動およびイスラム金融や中国経済の台頭といった国家や地域を越えたグローバルな経済活動、③国際社会や国際NGOがつよく関与する民主化運動や先住民運動。本共同研究は、これら現代アフリカの国家再編にかかわる民族誌を比較検討することで、アフリカという一地域で育まれてきた社会や文化に根ざした新たな地域像の可能性を提出するとともに、国民国家という枠組の再編過程を総合的に解明する方途を探求する。【現前近代南アジアにおける中間的諸集団の再検討】2012〜2014年度 代表者:太田 信宏 所員3/共同研究員19本課題は、イギリス植民地支配期以前の南アジアにおいて、さまざまな中間的社会集団がそれぞれの政治、経済、社会的文脈のなかでどのように発展し、いかなる役割を担っていたのかを検討する。前近代南アジアでは「カースト」や村落、村落連合(「地域共同体」)、都市、商人仲間、教団・宗派などが一定の自律性・自立性をもって存在していた。これら諸集団間の闘争と折衝の過程、さらには諸集団と支配権力の間のそれに着目して、南アジアの歴史的展開を捉え直す。本課題では、固い枠組みをもつとされる社会集団(「カースト」など)だけではなく、雑多な諸集団を取り上げ、それらを支えた内的結合の多様なあり方を、集団間の比較も行いつつ明らかにする。

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