AA研要覧 2005
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アフリカやオセアニア等の無文字社会には自らの手による文字ではなく、外部の人間の手による極めて限られた文字資料しかない。このような資料は外部社会のバイアスが高く、また限られた視点からのものであり、無文字社会の人々が自ら自他を考察したものではない。本プロジェクトは無文字社会の人々が自らをどのように考察し、自らの社会、文化をどのように伝達してきたかを研究することによって、これらの社会を自らの視点から再構成することを目的とするプロジェクトである。その第一歩として、様々な研究分野でのむかしを知るための研究を通して、その方法論を研究、議論する。また、各研究分野の連携による「むかし」を知るための研究を模索する。飯田  卓池谷 和信井関 和代上田冨士子遠藤 保子神谷 俊郎亀井 哲也菊澤 律子慶田 勝彦佐々木重洋佐藤  俊高村美也子竹沢尚一郎鳥山  寛中野 暁雄西田 正規日野 舜也藤井 麻湖堀  信行三木  亘森口 恒一吉田 憲司吉田  忍米田 信子和田 正平イスラーム世界で著され、記された歴史的文化的遺産である写本・文書資料の総合的研究を目的としている。アラビア語、ペルシア語、オスマン・チャガタイ両トルコ語の写本・文書が主な対象となる。写本、文書の利用は今日の学界ではあたりまえのこととなっているが、写本・文書資料利用のための方法論については十分な議論が尽くされないまま、進んでいるのが現状である。そこで、現在、日本の各地で行われている写本研究・文書研究をネットワーク化し、写本学、古文書学を踏まえた研究会を積み重ね、相互の知見を交換する。また、少人数からなる作業グループを編成し、写本・文書資料の校訂、翻訳を推進する。成果は可能な限り、研究所の出版物として刊行する。赤坂 恒明秋葉 純磯貝 健一江川ひかり大河原知樹大稔 哲也小野  浩川本 正知久保 一之後藤 敦子清水 和裕高松 洋一中町 信孝林 佳世子前田 弘毅真下 裕之間野 英二守川 知子森本 一夫家島 彦一矢島 洋一山口 昭彦イスラーム写本・文書資料の総合的研究(主査:羽田亨一/所員4、共同研究員22)無文字社会における「むかし」を知るには?―無文字社会の過去を知るための研究とその手法開発―(主査:加賀谷良平/所員3、共同研究員25)24アジア・アフリカ言語文化研究所◆草原の中を進む牛車悪路では、牛車の方が頼りになることもある。(ミャンマー,パガン,塩原朝子撮影)

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