本プロジェクトは、アフリカ大陸を、サハラ以北・以南、東アフリカ・西アフリカ等のように分断することなくとらえ、種々の語族、国家、民族とかかわるアフリカの諸言語を、広い視野から分析・考察していくことを目的としている。現地調査に基づく、地道ながらもオリジナルな研究を主流としつつ、文献・資料に基づく緻密な考察をも加え、さまざまな歴史・文化の交錯するアフリカの言語の実情を、多彩な研究者の間で共有し、明らかにしていきたい。具体的な活動計画:1)年間3乃至4回の研究会を開き、2~3名による口頭発表およびそれに基づく討論を行なう。2)研究会では、自由発表のほか、その回のテーマを設定し、共同研究員や研究協力者に、個別の言語のデータを提示してもらい、それらをもとにディスカッションを行なうという形式も考えている。3)研究会の成果は、発表者による、AA研Journal等への投稿を要請する等、紙媒体での公表はもちろんのこと、本プロジェクトのウェブサイトを整備し、すみやかにウェブ上で公開していく。4)本プロジェクトのウェブサイトでは、研究会で口頭発表されたものでなくとも、アフリカの言語研究に関する論文や書評等を積極的に受理・公開する。5)その他、共同研究員等から寄せられた、アフリカ言語学やそれに関連する学会等の情報を、ウェブサイトにおいて告知していく。6)ウェブサイトと並行して、メーリング・リストによる迅速な情報交換を行なう。7)ときには、在日アフリカ人等を交えた懇親の場を設け、広い意味での異文化交流も図っていきたいと考えている。安部 麻矢阿部 優子神谷 俊郎小森 淳子榮谷 温子佐藤 道雄塩田 勝彦砂野 幸稔竹村 景子柘植 洋一中野 暁雄中村 博一日野 舜也Philips, John. Edward宮本 律子Ratcliffe, Robert R.若狭 基道梶 茂樹松下 周二高村美也子宮崎久美子人類学において比較研究は不可欠であるが、それを方法として確立することは大変に難しい。これは静態の比較についてすでに言われているが、動態の比較はさらに大きな問題である。しかし揺れ動く世界の中にある社会文化を把握しようとする場合、動態の比較は、分析の視点として大いに重要である。ここでは、北部南アジア[インド(南部4州以外)、パキスタン、バングラデシュ、ネパール、ブータン]を主な対象地域とし、その諸側面の変化を捉え、相互の比較を行いつつ分析を深める。北部南アジアは英植民地権力の影響が直接的であった地域と間接的であった地域を含み、宗教的にも多様で、また、近年、経済自由化、「民主化」、あるいは独特の国民形成などの多様な国家レベルの変化を経験している。本共同研究では、このような地域における社会文化変化の分析とその比較をとおして、人類学研究における比較方法の洗練を目指す。今井 史子上杉 妙子鹿野 勝彦小牧 幸代佐藤 斉華橘 健一田辺 明生外川 昌彦中谷 純江中谷 哲弥名和 克郎幅崎麻紀子Maharjan, Keshav Lall三尾 稔南 真木人宮本 万里森本 泉八木 祐子安野 早己山上 亜紀山本 真弓山本 勇次渡辺 和之社会文化動態の比較研究―北部南アジアの動きから(主査:石井 溥/所員1、共同研究員23)Studies on African Languages(主査:加賀谷良平/所員2、共同研究員21)23東京外国語大学 要覧2005
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