27 社会文化動態の比較研究-北部南アジアの動きから (主査:石井 溥/所員1,共同研究員20) 無文字社会における「むかし」を知るには? -無文字社会の過去を知るための研究とその手法開発 (主査:加賀谷良平/所員5,共同研究員17) イスラーム写本・文書資料の総合的研究 (主査:羽田亨一/所員2,共同研究員16) 人類学において比較研究は不可欠であるが,それを方法として確立することは大変に難しい。これは静態の比較についてすでに言われているが,動態の比較はさらに大きな問題である。しかし揺れ動く世界の中にある社会文化を把握しようとする場合,動態の比較は,分析の視点として大いに重要である。 ここでは,北部单アジア[インド(单部4州以外),パキスタン,バングラディシュ,ネパール,ブータン]を主な対象地域とし,その諸側面の変化を捉え,相互の比較を行いつつ分析を深める。北部单アジアは英植民地権力の影響が直接的であった地域と間接的であった地域を含み,宗教的にも多様で,また,近年,経済自由化,「民主化」,あるいは独特の国民形成などの多様な国家レベルの変化を経験している。 本共同研究では,このような地域における社会文化変化の分析とその比較をとおして,人類学的研究における比較方法の洗練を目指す。 今井史子 上杉妙子 鹿野勝彦 小牧幸代 佐藤斉華 橘 健一 田辺明生 外川昌彦 中谷純江 中谷哲弥 三尾 稔 单真木人 宮本万里 森本 泉 八木祐子 安野早己 山本真弓 山本勇次 渡辺和之 Maharaja, Keshav Lall 初年度にあたる2003年度は,これまでの様々な研究方法の検討とこれまでに何が解ってきたかをまとめ,次にいかなる方法により何が解明できるかを検討する。特に言語学資料および「もの」と技術の開発と伝播から,どの程度のことが解るかと言うことを検討する。さらに,これらの資料収集,特に「もの」についての資料収集の合理的方法も検討する。 飯田 卓 池谷和信 井関和代 亀井哲也 慶田勝彦 佐々木重洋 佐藤 俊 鳥山 寛 中野暁雄 西田正規 日野舜也 藤井麻湖 丸尾 聡 三木 亘 森口恒一 吉田憲司 和田正平 イスラーム世界で著され,記された歴史的文化的遺産である写本・文書資料の総合的研究を目的としている。アラビア語,ペルシア語,オスマン・チャガタイ両トルコ語の写本・文書が主な対象となる。 写本,文書の利用は今日の学界ではあたりまえのこととなっているが,写本・文書資料利用のための方法論については十分な議論が尽くされないまま,進んでいるのが現状である。そこで,現在,日本の各地で行われている写本研究・文書研究をネットワーク化し,写本学,古文書学を踏まえた研究会を積み重ね,相互の知見を交換する。 また,尐人数からなる作業グループを編成し,写本・文書資料の校訂,翻訳を推進する。成果は可能な限り,研究所の出版物として刊行する。 磯貝健一 江川ひかり 大河原知樹 大稔哲也 小野浩 久保一之 後藤敦子 清水和裕 高松洋一 林佳世子 真下裕之 守川知子 森本一夫 家島彦一 矢嶋洋一 山口昭彦
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