AA研要覧 2003
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25 Studies on African Languages (主査:松下周二/所員 3,共同研究員18) 本プロジェクトは,アフリカ大陸を,サハラ以北・以单,東アフリカ・西アフリカ等のように分断することなくとらえ,種々の語族,国家,民族とかかわるアフリカの諸言語を,広い視野から分析・考察していくことを目的としている。 現地調査に基づく,地道ながらもオリジナルな研究を主流としつつ,文献・資料に基づく緻密な考察をも加え,さまざまな歴史・文化の交錯するアフリカの言語の実情を,多彩な研究者の間で共有し,明らかにしていきたい。 具体的な活動計画: 1) 年間3乃至4回の研究会を開き,2~3名による口頭発表およびそれに基づく討論を行なう。 2) 研究会では,自由発表のほか,その回のテーマを設定し,共同研究員や研究協力者に,個別の言語のデータを提示してもらい,それらをもとにディスカッションを行なうという形式も考えている。 3) 研究会の成果は,発表者による,AA研Journal等への投稿を要請する等,紙媒体での公表はもちろんのこと,本プロジェクトのウェブサイトを整備し,すみやかにウェブ上で公開していく。 4) 本プロジェクトのウェブサイトでは,研究会で口頭発表されたものでなくとも,アフリカの言語研究に関する論文や書評等を積極的に受理・公開する。 5) その他,共同研究員等から寄せられた,アフリカ言語学やそれに関連する学会等の情報を,ウェブサイトにおいて告知していく。 6) ウェブサイトと並行して,メーリング・リストによる迅速な情報交換を行なう。 7) ときには,在日アフリカ人等を交えた懇親の場を設け,広い意味での異文化交流も図っていきたいと考えている。 阿部優子 安部麻矢 神谷俊郎 小森淳子 榮谷温子 佐藤道雄 塩田勝彦 砂野幸稔 竹村景子 柘植洋一 中野暁雄 中村博一 日野舜也 宮本律子 米田信子 若狭基道 Philips, John E. Ratcliffe, Robert R. 茣蓙の上でくつろぐ少女たち ツィミヘティ族の家の床は,土間だ。寝るところはベッドの上だから,土間でも良いようなものである。 が,乳離れした子供たちは土間の上に折り重なって眠るし,食事は土間の上だし,土間は女性たちの仕事場でもある。そこで,土間に敷く茣蓙が必要になる。この茣蓙,マダガスカルの池や小川に多く自生しているパピルスの皮を剥ぎ,それを乾かし,編んで作られる。茣蓙を編むのは,女性の仕事。 食事に使う茣蓙と異なり,土間の床に敷く茣蓙は大きく,仲の良い女性たちが集まって一緒に編む。となれば,そこには自ずとお喋りの輪が広がる。 (マダガスカル,マジュンガ州北部にて。1984年11月,深澤秀夫撮影。)

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