AA研要覧 2003
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17 (1)文部科学省・COE形成基礎研究費『アジア書字コーパスに基づく文字情報学の創成』(代表:ペーリ・バースカララーオ) (2)文部科学省・データベース科研費『三省堂言語学大辞典』(代表:町田和彦) (3)産学連携共同研究『多言語機械翻訳システムの評価研究』(共同研究クラスA,代表:町田和彦) (4) 新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)との共同研究『多言語処理技術の基盤整備』(代表:星泉) (5) 国際情報化協力センター(CICC)との共同研究『イスラーム関連サイト収集プロジェクト』(代表:飯塚正人) 5.デジタル言語文化館 センターの研究活動の成果を世界に向けて発信するため,センターではインターネット上に「デジタル言語文化館」を開館しました。この「デジタル言語文化館」は,単なるコンテンツの羅列ではなく,その加工技術・呈示技術とその背景の理論化自体もコンテンツとなる点が特徴であり,蒐集展示と,蒐集資料・技術の工具利用の両方がおこなえるところが,従来のデジタルライブラリ(電子図書館)発想を包含しつつ,それを越える点です。 コンテンツには「タロ芋データベース」「ヒンディー語形態素解析・辞書」「言語調査票」「カイロの肖像・19 世紀」「ヒンディー語テキストコーパス」「チベット地図/人名・地名索引」など多数あります。今後も一層コンテンツを充実させていきますのでどうぞご期待ください。 6.技術と研究の相互発展 センターは,望まれる技術の要求仕様を策定するのであって,技術自体を開発する場ではありません。望まれる技術とは,新しい技術の呈示によって技術への需要自体を呼びおこし,その結果,新たな研究工具を提供することで研究開拓のきっかけとなるような技術であり,すなわち,今は「技術的制約によって無理」と諦められ,研究分野自体が研究として認識されていないものを,明らかにするような技術を指します。 研究者の主体的発想による技術仕様の策定は,本センターのように,言語・歴史・民族・情報の各分野の専門研究者を擁し,技術と研究の相互刺戟を主眼として研究を進める専門機関によって,はじめて生れ得る成果と言えましょう。

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