1●アフリカでバナナを使い、味わい、調べる佐藤靖明 ・●●食の記憶をたどる旅佐藤万里江 ・日本を飛び出して、お隣の国、韓国へ、中国へ。そしてタイ、ベトナムなど東南アジアへ、もっと足をのばしてインドへ、山を越えてチベットへ、イランへ。さらにアフリカ大陸に渡ってサバンナ草原がひろがる灼熱の牧畜民の土地へ、ヴィクトリア湖畔の漁民の村へ。ネイティブ・アメリカンの言語を求めてアメリカ大陸へ。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(AA研)では、生きた言葉を、あるいはもう使われなくなった言葉の原型をもとめて、また異なる地の人びとの暮らしを、文化、そしてその土地に蓄積されてきた歴史などを研究するために、研究者たちがさまざまなフィールドにでかけていきます。碑文をもとめて山奥に行くこともあれば、その土地のお寺や教会、図書館が秘蔵する記録文書を見せてもらうために何度も通いつめることもあります。数ヶ月、数年にわたり、土地の人と寝食をともにして人びとの暮らしのなかから、文化を学ぶこともあります。日本の研究室を出て行なうこう101112裏表紙フィールドワーカーの鞄161820Field+ 2009 07 no.2インタビュア/ 太田信宏長崎 郁●●●食べものから見える世界小松かおり・した研究の方法は、ひろくフィールドワークとよべるでしょう。 本誌では、AA研の所員をはじめ、世界のさまざまな土地にでかけて調査研究をしている各分野の研究者が、フィールドワークの現場でどんなことを体験し、どんな研究をしているのか、豊富な写真とともにご紹介していきます。 異なる土地、環境に自らをおいて、さまざまな工夫をして学ぶこと。それがフィールドワークなら、私たちが日本で暮らしている毎日もまた、大きな意味でフィールドワークだといえます。新しい学校や会社にかかわりだしたとき。新しいスーパーに、デパートに入ってみたとき。いつもみていた風景のなかに、視点を変えたら違うものがみえたとき。日常生活のなかで、つねに私たちは何かをみています。それをどうみるのか。本誌が提供する世界中からの情報や視点が、あなたの暮らしというフィールドに何かプラスをもたらすスパイスになればと思います。 Field+編集部Field+(フィールドプラス)とはインタビューオスマン文書の世界イスタンブルの古本屋とアーカイブズ高松洋一海域ムラユ世界に溶け込む華人貞好康志・「混血」から見る血縁と地縁パプアニューギニア、ニューアイルランド島の華人たち市川 哲・フスクス・ナマコと華人企業家環境問題の死角をうめる赤嶺 淳・2614フィールドワークって何?テーマ:「食べる」
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