●ごあいさつ
このたび、私ども東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所では、 「アサバスカン リバイバル」と題して、北米アサバスカ系先住民の人びとの 伝統言語と文化復興にむけたとりくみをテーマとした国際会議と展覧会を 開催いたします。

ご存知の通り、アメリカとカナダに暮らす先住民の人びとのあいだでは、 周囲をとりまく西欧言語・社会からの大きな圧力の中で、いま、急速に 失われつつある先祖伝来のことばと文化を復興させ、後世に伝えようと する新たなとりくみがはじまっています。アサバスカ系の人びともまた 例外ではありません。アサバスカ系の言語を話す人々は、アラスカ、カナダ、 さらに、合衆国南西部、および、カリフォルニア北部までの太平洋岸を含む きわめて広い範囲に分布し、そこに含まれる言語の数、話される地域、 話者の数においても、北米先住民のなかで最大規模のグループです。 そのため、その文化も歴史もきわめて多様性に富んでいます。

今回はその中でも特に、アラスカ、カナダ北西部およびニューメキシコ州 に居住する諸部族に焦点をあて、失われつつある伝統的言語や文化を
人びとがどのように保持し、また次の世代に継承していこうとしているかを ご紹介しつつ、私たちの研究活動が、その言語と文化のリバイバルのために はたして何ができるかについて考える、という趣旨で企画いたしました。 ネイティヴ・アメリカンの伝統文化、そして、それを取り巻く現状を、より 身近に感じていただける数少ない機会ですので、是非、ご覧ください。

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●今回の展覧会を開催するに当たり、以下の方々のご協力をえました。
 この場をお借りしてお礼申し上げます。

 アラスカ先住民言語センター
 ユーコン先住民言語センター
 カナダ北西部言語委員会事務局

 エリサ・ジョーンズ氏
 フィビー・タティー氏


[アサバスカンリバイバル実行委員会]
呉人徳司、中山俊秀、小田昌教、ジェフ・リアー、峰岸真琴、高島 淳、内堀基光